体幹を鍛えると何がいい?初心者向けの自宅トレーニングを紹介
「最近、姿勢が崩れやすくなった気がする……」
「運動不足による腰への負担が気になるけど、どんな運動をすればいいの?」
そんなふうに感じたことはありませんか?
姿勢を保ったり、身体を安定させたりするうえで大切な役割を担っているのが、体幹の筋肉です。
体幹という言葉はよく耳にしますが、実際にどの部分を指すのか、鍛えることでどんなメリットがあるのか、詳しく知らない方も多いのではないでしょうか。
体幹トレーニングは、特別な器具がなくても、自宅で気軽に始められるものがあります。
ただし、腰に負担をかけないよう、自分の身体の状態に合った方法を選ぶことが大切です。
この記事では、体幹の役割や鍛えるメリットをわかりやすく解説するとともに、初心者でも自宅で取り組みやすい5つのトレーニングをご紹介します。
毎日の生活を支える身体づくりのために、できることから始めてみませんか?
1.体幹とは?身体を支える筋肉の役割
「体幹を鍛える」と聞くと、お腹の筋肉を鍛えることをイメージする方も多いのではないでしょうか?
実は、体幹は腹筋だけを指す言葉ではありません。
私たちが普段、立ったり座ったり、歩いたりするときにも、体幹の筋肉は大切な役割を担っています。
まずは、体幹が身体のどの部分を指し、どのような働きをしているのかを見ていきましょう。
体幹は腹筋だけじゃない?身体の中心を支える筋肉
体幹とは、一般的に頭や腕、脚を除いた胴体部分を指します。
お腹だけでなく、胸や背中、腰なども含まれ、さまざまな筋肉が身体を支えています。
なかでも、身体の安定性に関わる代表的な筋肉には、次のようなものがあります。
- 腹横筋(ふくおうきん): お腹の深い部分にあり、腹部を支える働きに関わる筋肉
- 多裂筋(たれつきん): 背骨の近くにあり、背骨を安定させる働きに関わる筋肉
- 横隔膜(おうかくまく): 呼吸に関わるほか、お腹の中の圧力を調整する役割も担う筋肉
- 骨盤底筋群(こつばんていきんぐん): 骨盤の底にあり、内臓を支えたり、お腹の中の圧力を調整したりする筋肉
これらは、身体の深い部分にある筋肉として知られています。
ただし、体幹を支えているのは、この4つだけではありません。
腹直筋や腹斜筋、背中の筋肉なども協力しながら、身体の中心部分を支えています。
つまり、体幹を鍛えることは、腹筋だけを鍛えることではなく、身体を支えるさまざまな筋肉を使うことなのです。
体幹と姿勢・身体の安定性の関係
「長時間座っていると、だんだん姿勢が崩れてしまう……」
そんな経験はありませんか?
私たちが姿勢を保つときには、骨や関節だけでなく、周囲の筋肉も働いています。
なかでも体幹の筋肉は、背骨や骨盤を支え、身体の中心部分を安定させる役割を担っています。
例えば、椅子から立ち上がるときや歩くとき、腕を伸ばして物を取るときなども、手足だけでなく体幹の筋肉が働いています。
身体の中心部分が適切に支えられることで、手足を動かす際にも姿勢を保ちやすくなります。
ただし、姿勢の崩れや腰への負担は、体幹の筋力だけで決まるものではありません。
関節の動きや身体の使い方、長時間同じ姿勢で過ごす習慣など、さまざまな要因が関係しています。
そのため、体幹の筋肉を鍛えることに加えて、日常生活での姿勢や身体の動かし方にも目を向けることが大切です。
2.体幹を鍛えると何がいい?期待できる3つのメリット
「体幹が大切なのはわかったけど、実際に鍛えると何がいいの?」
そんな疑問を持つ方もいらっしゃるのではないでしょうか。
体幹トレーニングは、単にお腹の筋肉を鍛えるだけでなく、姿勢を支える力や身体の安定性を養うことにもつながります。
ここでは、体幹を鍛えることで期待できる3つのメリットをご紹介します。
姿勢を支える筋肉の働きを高める
「気がつくと背中が丸まっている……」
「長時間座っていると、姿勢を保つのがつらい」
そんなお悩みはありませんか?
私たちが立ったり座ったりするとき、体幹の筋肉は背骨や骨盤を支えるために働いています。
体幹トレーニングによって、姿勢を支える筋肉の筋力や持久力を養うことが期待できます。
例えば、デスクワークなどで長時間座っている方にとっても、身体を支える筋肉を適切に使えることは大切です。
ただし、体幹を鍛えれば必ず姿勢が改善するわけではありません。
姿勢には、筋力だけでなく、関節の柔軟性や普段の座り方、身体の使い方なども関係しています。
そのため、トレーニングとあわせて、長時間同じ姿勢を続けないことも意識しましょう。
腰への負担と体幹の安定性の関係
「立ちっぱなしの日は腰がつらい……」
「重い荷物を持つとき、腰への負担が気になる」
そんな方もいらっしゃると思います。
腰は、上半身を支えながら、さまざまな動作に関わる部分です。
物を持ち上げたり、身体を動かしたりするときには、腰だけでなく、お腹や背中などの筋肉も協力して働いています。
体幹の筋肉を適切に使うことは、背骨や骨盤の安定性を保ち、動作中の負荷を身体全体で受け止めることに関係しています。
体幹トレーニングは、こうした身体の安定性を養う方法の一つです。
ただし、体幹の筋力が弱いことだけが腰痛の原因とは限りません。
腰の痛みには、筋肉や関節の状態、日常生活での動作、さまざまな身体的要因などが関係します。
また、体幹を鍛えれば腰への負担が必ず減る、腰痛が改善するというわけでもありません。
腰に痛みがある場合は、無理にトレーニングを行わず、身体の状態に合った運動を選ぶことが大切です。
立つ・歩くなど日常動作の安定につながる
体幹の筋肉は、スポーツだけでなく、普段の何気ない動作でも働いています。
例えば、椅子から立ち上がるときや歩くとき、床にある物を拾うときなどです。
こうした動作では、手足を動かすと同時に、身体の中心部分を安定させる必要があります。
体幹トレーニングを通じて、胴体を支えながら手足を動かす練習をすることは、身体の安定性や動作のコントロールを養うことにつながります。
ただし、日常動作を安定させるためには、体幹だけでなく、脚の筋力やバランス能力なども重要です。
体幹トレーニングだけに偏らず、ウォーキングなどの適度な運動も取り入れながら、身体全体を動かす習慣をつくっていきましょう。
3.初心者でも自宅でできる体幹トレーニング5選
「体幹を鍛えたいけど、どんな運動から始めればいいの?」
そんな方に向けて、自宅で取り組みやすい体幹トレーニングを5つご紹介します。
今回は、腰を大きく反らしたり曲げたりせず、身体の中心部分を安定させることを意識した運動を中心に選びました。
特別な器具は必要ありません。
床にヨガマットやバスタオルなどを敷き、無理のない範囲で行ってみましょう。
ただし、運動中に痛みやしびれが出る場合は、無理に続けず中止してください。
① 腹部ブレーシング|お腹の筋肉を使う感覚をつかもう
腹部ブレーシングは、お腹まわりの筋肉に力を入れ、胴体を安定させる練習です。
身体を大きく動かさずに行えるため、運動に慣れていない方にも取り組みやすい方法です。
【やり方】
- 仰向けになり、両膝を軽く曲げて足裏を床につけます。
- 肩や首の力を抜き、自然に呼吸します。
- お腹を軽く固めるように、腹部全体に力を入れます。
- 呼吸を止めずに5秒ほど保ち、ゆっくり力を抜きます。
目安:5秒×5回
【ポイント】
お腹を強くへこませるのではなく、軽く力を入れて胴体を安定させることを意識しましょう。
息を止めたり、腰を無理に床へ押しつけたりする必要はありません。
最初は、お腹に手を添えて筋肉が働いている感覚を確認してみるのもおすすめです。
② ヒールスライド|腰を安定させながら脚を動かそう
ヒールスライドは、仰向けの状態でかかとを滑らせながら、片脚ずつ動かす運動です。
お腹の筋肉を使って胴体を安定させながら、脚を動かす練習になります。
【やり方】
- 仰向けになり、両膝を曲げて足裏を床につけます。
- お腹に軽く力を入れ、腰や骨盤を安定させます。
- 片方のかかとを床につけたまま、ゆっくり前へ滑らせます。
- 腰が大きく反らない範囲まで脚を伸ばしたら、元の位置に戻します。
- 反対側も同じように行います。
目安:左右各5回
【ポイント】
脚を遠くまで伸ばすことよりも、腰や骨盤が大きく動かないようにすることが大切です。
腰が反ってしまう場合は、脚を伸ばす範囲を小さくしましょう。
呼吸を止めず、ゆっくり丁寧に動かしてみてください。
③ バードドッグ|手足を動かしながら身体を安定させよう
バードドッグは、四つ這いの姿勢で手足を動かす体幹トレーニングです。
お腹や背中の筋肉を使いながら、背骨や骨盤を安定させる練習になります。
【やり方】
- 両手を肩の下、両膝を股関節の下につき、四つ這いになります。
- 背中を大きく丸めたり反らしたりせず、自然な姿勢を保ちます。
- 右手をゆっくり前へ伸ばし、元の位置に戻します。
- 次に左手も同じように動かします。
- 続いて、片脚ずつゆっくり後ろへ伸ばし、元の位置に戻します。
目安:手・脚それぞれ左右各5回
【ポイント】
手足を動かすときに、身体が左右へ大きく傾かないように意識しましょう。
慣れてきたら、右手と左脚など、対角線上の手足を同時に伸ばす方法にも挑戦できます。
ただし、最初から難しい動きをする必要はありません。
姿勢を安定させられる範囲で行うことを優先しましょう。
手首や膝に痛みがある場合は、無理に四つ這いの姿勢を取らないようにしてください。
④ ヒップリフト|お尻の筋肉も使って骨盤まわりを支えよう
ヒップリフトは、仰向けの状態からお尻を持ち上げる運動です。
主にお尻の大殿筋や太ももの裏側の筋肉を使いながら、体幹を安定させる練習にもなります。
【やり方】
- 仰向けになり、両膝を曲げて足を腰幅程度に開きます。
- 両腕は身体の横に置き、肩の力を抜きます。
- お腹に軽く力を入れながら、お尻をゆっくり持ち上げます。
- 肩から膝までがおおむね一直線になる位置で、2〜3秒保ちます。
- ゆっくりお尻を下ろします。
目安:5〜10回
【ポイント】
高く持ち上げようとして、腰を大きく反らさないように注意しましょう。
お尻の筋肉を使って身体を持ち上げるイメージで行うことが大切です。
腰に痛みや違和感がある場合は、持ち上げる高さを調整し、痛みが続く場合は中止してください。
⑤ 膝つきプランク|身体を一直線に保つ練習をしよう
プランクは、身体を一定の姿勢で支える体幹トレーニングです。
今回は、初心者の方でも負荷を調整しやすいように、膝を床につけて行う方法をご紹介します。
【やり方】
- うつ伏せになり、両肘を肩の真下あたりにつきます。
- 両膝を床につけたまま、お腹と腰をゆっくり持ち上げます。
- 肩から膝までがおおむね一直線になるように姿勢を保ちます。
- 呼吸を止めずに10秒ほど保ち、ゆっくり身体を下ろします。
目安:10秒×2〜3回
【ポイント】
腰が大きく反ったり、お尻が高く上がりすぎたりしないように意識しましょう。
長く姿勢を保つことよりも、無理のない姿勢を維持することが大切です。
10秒が難しい場合は、5秒程度から始めても構いません。
肩や腰に痛みがある場合は無理をせず、ほかの運動を選びましょう。
4.腰に負担をかけずに体幹を鍛えるためのポイント
「体幹を鍛えたいけど、腰を痛めないか心配……」
そんな不安を感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
体幹トレーニングは、身体を支える筋肉を鍛えるための運動ですが、やり方によっては腰に負担がかかることもあります。
特に、運動に慣れていない方は、頑張りすぎず、自分の身体に合った方法で取り組むことが大切です。
ここでは、腰への負担に配慮しながら体幹トレーニングを行うための3つのポイントをご紹介します。
腰を無理に反らさず、正しい姿勢を意識する
体幹トレーニングで大切なのは、難しい姿勢を取ることではなく、身体を安定させながら動くことです。
例えば、プランクで腰が大きく反ってしまったり、ヒップリフトでお尻を高く持ち上げようとして腰を反らせすぎたりすると、腰への負担が大きくなる場合があります。
そのため、背骨や骨盤を無理のない位置に保ち、身体をコントロールしながら動かすことを意識しましょう。
ただし、背骨をまっすぐに固定することが、すべての運動で正しいわけではありません。
大切なのは、運動の目的に合った姿勢を取り、痛みのない範囲で動くことです。
慣れないうちは、鏡で姿勢を確認したり、家族に見てもらったりするのも一つの方法です。
回数や時間よりも無理なく続けることが大切
「10回より20回の方が効果がありそう!」
「プランクは長く耐えた方がいいのかな?」
そう考える方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、疲れて姿勢が崩れたまま運動を続けると、腰や肩などに余計な負担がかかることがあります。
まずは、正しい動きを無理なく行える回数や時間から始めることをおすすめします。
例えば、プランクを10秒続けるのが難しければ、5秒から始めても構いません。
また、筋力を高めるためのトレーニングは、毎日行わなければならないものではありません。
初心者の方は週2〜3回程度を一つの目安に、疲労の程度を見ながら取り組んでみましょう。
慣れてきたら、少しずつ回数や時間を増やしていくことが大切です。
腰に痛みやしびれがある場合の注意点
体幹トレーニングは、腰に不調がある方すべてに適しているわけではありません。
腰痛にはさまざまな原因があり、身体の状態によって適した運動も異なります。
例えば、腰を反らすと痛みが強くなる方もいれば、前かがみになると痛みが出る方もいます。
そのため、腰に痛みがある場合は、自己判断で無理にトレーニングを続けないことが大切です。
特に、次のような症状がある場合は注意しましょう。
- 運動中に腰の痛みが強くなる
- お尻や脚に痛み・しびれが広がる
- 脚に力が入りにくい
- 痛みやしびれが続いている
このような場合は運動を中止し、医療機関で身体の状態を確認しましょう。
また、急に脚の力が入らなくなった場合や、排尿・排便の異常、股の周囲の感覚低下などが現れた場合は、神経の重い障害が関係している可能性があるため、速やかな救急受診が必要です。
体幹トレーニングは、痛みを我慢して頑張るものではありません。
身体の状態に合わせて、安心して取り組める方法を選びましょう。
5.体幹トレーニングだけで腰や姿勢の悩みは解決する?
「体幹を鍛えれば、姿勢もよくなるのかな?」
「腰の不調も、筋力をつければ改善する?」
そんなふうに考える方もいらっしゃるかもしれません。
体幹トレーニングは、身体を支える筋肉を鍛え、安定性を養うための方法の一つです。
しかし、姿勢の崩れや腰の不調には、筋力以外にもさまざまな要因が関係しています。
そのため、トレーニングだけに頼らず、自分の身体の状態を知ることも大切です。
姿勢や腰の不調にはさまざまな要因が関係する
「姿勢が悪いのは、腹筋が弱いから?」
そう思われることもありますが、必ずしもそうとは限りません。
姿勢には、筋力だけでなく、関節の動きや筋肉の柔軟性、普段の身体の使い方なども関係しています。
例えば、長時間のデスクワークで同じ姿勢が続いたり、身体を動かす機会が少なかったりすることも、姿勢の保ちにくさに関係する場合があります。
また、腰の痛みについても、筋肉や関節への負担だけでなく、神経の状態や生活習慣など、さまざまな要因が関わることがあります。
そのため、体幹を鍛えることだけが、姿勢や腰の悩みへの対策になるわけではありません。
適度な運動に加えて、長時間同じ姿勢を続けないことや、日常生活での身体の使い方を見直すことも大切です。
セルフケアで改善しない場合は身体の状態を確認しよう
「ストレッチや筋トレを続けているのに、なかなか腰の調子がよくならない……」
そんなときは、運動の回数を増やす前に、身体の状態を確認してみましょう。
腰の不調にはさまざまな原因があるため、自分に合わない運動を続けても、期待する変化が得られない場合があります。
痛みが続く場合や日常生活に支障が出ている場合は、医療機関で原因を確認することが大切です。
また、医療機関での評価を踏まえ、筋肉や関節の状態、身体の動かし方などについて、整骨院に相談することも選択肢の一つです。
むかい整骨院なかもず院では、身体の状態に応じて、筋肉や関節への施術、日常生活での身体の使い方やセルフケアについての助言などを行っています。
ただし、整骨院は医療機関の代わりに病気を診断する場所ではありません。
症状によっては、医療機関での検査やケアが必要です。
大切なのは、無理にトレーニングを続けることではなく、自分の身体に合ったケアを選ぶこと。
体幹トレーニングを日常生活に取り入れながら、気になる不調がある場合は、専門家への相談も検討してみてください。
6.まとめ|自分に合った体幹トレーニングを始めよう
体幹の筋肉は、姿勢を支えたり、立つ・歩くといった日常動作を安定させたりするうえで、大切な役割を担っています。
体幹トレーニングというと難しそうに感じるかもしれませんが、特別な器具がなくても、自宅で気軽に始められる運動があります。
まずは、今回ご紹介した5つのトレーニングの中から、自分が無理なく取り組めそうなものを選んでみましょう。
大切なのは、回数や時間にこだわりすぎず、正しい動きを意識しながら、自分のペースで続けることです。
また、姿勢や腰の不調にはさまざまな要因が関係しているため、体幹を鍛えることだけですべての悩みが解決するわけではありません。
腰の痛みが続く場合や、運動に不安がある場合は、無理にセルフケアを続けず、身体の状態に応じて医療機関などの専門家に相談することも大切です。
毎日の生活を支える身体づくりのために、今日からできることを少しずつ始めてみませんか?



