【柔道整復師が解説】肩こり・頭痛・吐き気の原因と今すぐできる対処法

はじめに|肩こり・頭痛・吐き気でお困りのあなたへ
「肩こりがひどくて、頭まで痛くなる…」
「最近は吐き気まで感じることがあって不安…」
そんな悩みを抱えていませんか?
一見、よくある「肩こり」でも、放っておくと頭痛や吐き気といった不調を引き起こすことがあります。
近年はスマートフォンやパソコンの長時間使用によって、こりが慢性化し、複合的な症状に発展するケースが増えています。
この記事では、整骨院で多くの患者様を診てきた医療従事者の立場から、
- 肩こりと頭痛・吐き気の意外な関係
- 根本的な原因
- 今すぐご自宅でできる対処法
について、わかりやすくお伝えします。
「自分にも当てはまるかも」と思った方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
その肩こり、ただの疲れではないかもしれません
肩こりが慢性化するとどうなる?
肩こりは「一時的な筋肉の疲労」と思われがちですが、慢性的に続く肩こりは、単なる疲れとは異なります。
筋肉が固くなると血流が悪くなり、酸素や栄養が十分に行き届かなくなります。
その結果、
- 疲労物質がたまりやすくなる
- 回復が遅れ、痛みが残る
- 頭や目、胃腸にまで負担がかかる
といった悪循環に陥ってしまうのです。
頭痛・吐き気との関係とは?
実は、肩こりが原因で起こる「緊張型頭痛」や「吐き気」は非常に多い症状です。
肩~首の筋肉が硬くなると、
- 頭部への血流が悪くなる
- 神経が圧迫されやすくなる
- 頭皮やこめかみ周辺が締めつけられるような感覚になる
これが、頭痛や吐き気、時にはめまいといった症状を引き起こします。
「肩がこるだけならまだ我慢できるけど、頭痛や吐き気まであると日常生活に支障が…」
というご相談も非常に多く寄せられています。
「首こり」が見逃されがちな原因に
肩こりと並んで見落とされがちなのが、「首こり」です。
首の筋肉(特に後頭部に近い部分)が緊張することで、自律神経や血流にまで悪影響を及ぼすことがあります。
また、首こりは以下のような症状にもつながりやすくなります
- 頭が重い・ぼーっとする
- 吐き気・食欲不振
- 不眠・イライラ・疲れやすさ
つまり、首や肩の“こり”を軽く見ることはできません。
こうしたサインを感じたら、まずは自分の体の状態に目を向けてみることが大切です。
肩こり・頭痛・吐き気が起こる根本原因
つらい肩こりや頭痛・吐き気の背景には、単なる筋肉疲労だけではなく、さまざまな要因が絡み合っていることがあります。
ここでは、日常生活の中で気づかずに引き起こしている“根本原因”を詳しく見ていきましょう。
姿勢の乱れ(猫背・スマホ首)
近年、特に増えているのが「スマホ首(ストレートネック)」や「猫背」による不調です。
長時間のスマートフォン操作やデスクワークでは、どうしても頭が前に出る姿勢になりがちです。
このような姿勢が続くと…
- 首・肩にかかる負担が通常の2~3倍に
- 頭を支える筋肉が常に緊張状態に
- 背中が丸まり、呼吸も浅くなりやすい
この結果、首や肩がこりやすくなり、血流の低下から頭痛や吐き気が現れることがあります。
筋肉のこりと血流の悪化
筋肉が緊張して硬くなると、その周辺の血流も滞ります。
とくに肩や首まわりの血管・神経が圧迫されると、以下のような症状が出やすくなります
- 締めつけられるような頭痛(緊張型頭痛)
- 脳への酸素不足による「ぼんやり感」
- 吐き気やめまい、目の疲れ
こうした症状は、マッサージなど一時的にラクになる方法では改善しきれず、根本から筋肉と血流にアプローチすることが重要です。
自律神経の乱れやストレスも影響
さらに見逃せないのが、自律神経のバランスの乱れです。
特に以下のような環境は、自律神経の負担を強め、肩こりや吐き気を助長します。
- 過度なストレス
- 睡眠不足
- 長時間の緊張状態(集中作業・心配ごと)
首や肩には自律神経が通る大事な経路があるため、精神的な負荷も体のこりとなって現れるのです。
自宅でできる!今すぐ試せるセルフケア方法
肩こり・頭痛・吐き気の症状があると、「とにかく早く楽になりたい」と感じますよね。
ここでは、整骨院でもアドバイスしている今日からすぐできるセルフケア方法を3つご紹介します。
どれも特別な道具は不要で、1日数分から始められる簡単なものばかりです。
無理のない範囲で、まずは続けてみましょう。
① 正しい姿勢の意識づけから始める
もっともシンプルで、しかし効果的なセルフケアが「姿勢の見直し」です。
スマホ首や猫背は、肩・首への負担を増やす最大の原因でもあります。
まずは以下の3点を意識してみてください
- 背筋を伸ばす(壁に背中をつけると感覚がつかみやすい)
- 頭の位置を背骨の真上にのせるイメージ
- スマホやPCはなるべく目線の高さに合わせる
正しい姿勢を意識するだけでも、筋肉の負担が大きく軽減されます。
② 首・肩まわりをゆるめる簡単ストレッチ
こり固まった筋肉をゆるめるには、ゆったりとしたストレッチが有効です。
以下のストレッチは、どれも仕事の合間やお風呂上がりにおすすめです。
首まわりのストレッチ(各方向に10秒ずつ)
- 背筋を伸ばして座る
- 頭をゆっくり前後左右に倒す
- 呼吸を止めず、痛くない範囲で伸ばす
肩甲骨ストレッチ
- 両肩を大きく回す(前→後ろへ10回ずつ)
- 両手を背中で組み、胸を開いて5秒キープ
ポイントは“痛気持ちいい”程度の強さでゆっくり行うこと。ゴリゴリ強く押す必要はありません。
③ 深呼吸と温めで自律神経を整える
肩こりや頭痛には、リラックスできる時間を意識的に取ることも大切です。
以下の2つは、自律神経を整えるシンプルな方法です。
・腹式呼吸(5秒吸って、5秒吐く × 5セット)
→ 副交感神経が優位になり、血流も促進されます。
・首・肩・背中を温める(ホットタオルや入浴など)
→ 筋肉がゆるみ、痛みが和らぎやすくなります。
特に就寝前のリラックスタイムに取り入れることで、睡眠の質も上がり、回復力が高まります。
どの方法も「まずは試してみる」ことが第一歩です。
自分に合うものを少しずつ習慣にしていきましょう。
セルフケアで改善しないときは?
「姿勢を意識しているのに良くならない…」
「ストレッチや温めを続けても症状が変わらない…」
そんな場合、体の奥深くにある“根本原因”にアプローチできていない可能性があります。
ここでは、注意すべきポイントと、整骨院でできることをお伝えします。
要注意サインとは?
以下のような状態が続く場合は、自己判断で我慢するのではなく、専門家に相談することをおすすめします。
- 痛みが1週間以上続いている
- 吐き気・頭痛が日常生活に支障をきたしている
- 首や肩がまわらない・しびれがある
- マッサージしてもすぐに戻ってしまう
- 眠りが浅くなり、疲れが抜けにくい
これらの症状は、単なるこりではなく、身体のゆがみや神経の圧迫、自律神経の乱れなどが関係していることもあります。
整骨院でできるアプローチ
整骨院では、こうした症状に対して以下のような施術を組み合わせて対応しています。
・姿勢・骨格のチェックと調整
→ スマホ首や猫背による負担を軽減
・筋肉の深部へのアプローチ
→ 表面だけでなく、深層のこりも緩めて血流改善
・自律神経のバランスを整える施術
→ 睡眠・ストレス・回復力に関わる体内調整をサポート
痛みを“その場しのぎ”ではなく、根本から改善していくために、体の状態を丁寧に見極めながら施術を行っていきます。
柔道整復師として伝えたいこと
肩こり・頭痛・吐き気といった症状は、どれも我慢しやすく、ついつい「大したことはない」と見過ごされがちです。
しかし、症状が慢性化するほど回復に時間がかかることも。
体は、何かしらのサインを出してくれています。
「疲れてるだけかも」と流さずに、一度立ち止まって、ご自身の体と向き合ってみてください。
必要であれば、整骨院や医療機関の力を借りることも選択肢のひとつです。
まとめ|「つらい肩こり」から抜け出すために
肩こり・頭痛・吐き気といった不調は、日々の生活の中でじわじわと蓄積されるものです。
それだけに、「仕方ない」「疲れてるだけ」と片づけてしまいがちですが、体が出しているサインに早く気づくことが、回復への第一歩です。
今回ご紹介した内容をおさらいすると:
- 肩こりが原因で、頭痛や吐き気などの症状が起こることはよくある
- 原因はスマホ首や猫背などの姿勢、筋肉の緊張、ストレスなど多岐にわたる
- 自宅でも簡単にできるストレッチや姿勢の見直しで、症状は軽減できる
- 改善しないときは、整骨院などで専門的なアプローチを受けるのも一つの方法
肩こりに悩む方が非常に多い現代だからこそ、正しい知識とケア方法を持っておくことが大切です。
「なんとなく我慢している」
「もう少し様子を見ようかな」
と感じている方も、今回の記事が少しでもヒントや安心につながれば嬉しいです。